通されたのは居間。
「なんか飲む?……つっても麦茶かコーラしかないけど」
「ううん、いらない。それよりなんで学校来ないの?」
「…………それは、」
彼の目が、居間の隅にちょこんと置かれた段ボールに向いた。ふたは開いている。
「……?」
「これ」
そして、その段ボールに両手を入れてゆっくり恐る恐る、大事に何かを取り出しだ。
「…………え?…………猫!?」
彼の大きな手のひらのなかに、すっぽりおさまるくらいの子猫が3匹も出てきた。
「か、かわい……」
生後二週間くらいか、まだどの子も目が開いてない。
ミーミー、ミーミーって、か細く鳴きながら、おぼつかない動きで頭や手足を動かしている。
「かわいいー!」
それを見て思わず叫んでしまった。
「腹減ったかな?ミルクやるか」

