「……じゃあ、お言葉に甘えて」
彼の家に、すこし上がらせてもらうことした。
竜憧くんをもっと知りたい好奇心に勝てなかった。
好奇心と、あともうひとつ。
そばにいたいと思う"ナニカ"の気持ち。
その"ナニカ"が何なんのか分からないけど、私の心は,竜憧くんに惹かれてやまない感情に逆らえなくなってきている。
「散らかってて…………ゴメンね」
玄関を開けるとすぐ横が台所、その奥に六畳の和室が二つ、さらに四畳半の部屋がひとつ。
シンプルで殺風景だけど整理整頓されている。
「散らかってないよ、きれいだよ」
人の家の匂いだ、なんとなく竜憧くんの匂いがする。
「お、お父さんは?」
「仕事」
「…………だよね」
うわぁぁァァ…………今さらきんちょー…………。

