でも、"彼女じゃなかった"ことに、心底安堵している自分もいる。
「あ…………あの……ォ……」
しかしだからっていきなり二人も気まずい。
「ン?」
「……えっと、"シュウ"ってあだ名?今そう呼ばれてたよね?」
「…………あ?え?………ああ、名前?椿子は昔からオレをシュウって呼ぶんだ。"柊"はシュウとも読むでしょ?」
「あー、…………なるほど」
「…………」
「す、すごい綺麗な妹だね。……あ、なんかほんと、ごめんね?邪魔しちゃったみたいで。今、カメハメハとかなんか調べるって言ってたのに」
「…………は?」
何のこと?って顔の竜憧くん。1分前に話してたこと忘れちゃったのかな。
「…………あ。あー……聞こえてたんだ……恥ず……いやなんでもないよ、ハワイに銅像ある王様の名前。オレがカメハメハ大王だって言ってるのに、妹がハメハメハ大王って言い張るから…………ってどうでもいいよね、こんな話」

