上手く誤魔化そうと思っていたら、意外なことを突かれた。
しかも前置きなしの直球で。
心臓が、素手で握られたくらいギュッとして、とっさの言葉がなにも出ない。
逡巡しているうち、小海は"まいっか"と、壁に凭れてその場にしゃがんだ。
「でだっていきなりオレの前で"名前呼び"とかしてくるし、家に送るとか言い出すし、なんかそうなのかなって思うじゃん?」
「そっちは…………小海は千歳さんと付き合ってるの?」
「いや。小学校からの腐れ縁」
そう聞いて、思ってる以上にホッとした。小海はそんなオレをじーっと観察。
「竜憧ってホントかっこいーよな。なんで顔前髪で隠してんの?誰かに見つかったらヤバい…………とか?」
「……」
「もしかしてあの夜集会出てた?」
「…………は?」
「オレさ、ちょっと気づいたことあるんだ」
なんか嫌な予感。
「何?」

