「千歳、聞いてないん?」
「……!」
聞いてない…………だってここに来るってことも内緒だもん。
「そうなんだ、今夜来てないんだ」
じゃあ私、何しに来たんだろ……。
気落ちする私に乃愛が、
「魔陀羅は人数多いからね、集会っていっても全員が集まるなんてそうそうないよ。まして幹部クラスは滅多に顔出ししない。こういう一般人が簡単に来れるようなレベルの集会なら、魔陀羅のなかでも下っぱの連中よ」
意外にも丁寧に説明してくれた。
確かに。"今度いつ集会やるの"って訊いたとき、それに参加するかは訊かなかったもんな。
「……へー、詳しいんだ」
「そりゃ敵の情報くらいは仕入れるよ。てかそんなこと総長にきけばいいじゃない?あんたらホントにつき合ってるの?」
「っ」
つき合ってるよ!
乃愛の何気ない一言がグサッと刺さる。
「こりゃオレにもワンチャンあるな」
私の様子を眺めていた茜先輩。瞳をキラッと輝かせた。
(てかありませんっ!)

