「それにお前目ェ離したらなにするかわからんしな」
「何もしやしないよ!」
ちょっとこれにはびっくり。
この画にかいたリア充美形兄妹が並ぶと、族の集会っていうより、オシャレなイベントに来たみたいな錯覚が起こる。
しかもこのふたり、けっこう仲良さそうだ。なんだかんだで乃愛もまんざらじゃないっぽいし。
実はかなりのブラコンだよね、この子。
「ちょっと。なにキモい顔して笑ってるの?」
にやついてたら思いきり乃愛に毒を浴びせられた。
黙ってりゃ美少女なのに口悪すぎ。
「悪かったね、キモい顔で」
「千歳は可愛ぇよ!乃愛コラ!謝り!」
「いいよ、先輩。……それより……り、竜憧くん見なかった?」
照れながら訊ねると、先輩は目を丸くした。
「竜憧?アイツならたぶんおらんと思うよ」
「え!?なんで!?」
「なんでかは知らんけどそういう情報や」

