とにかく内気で照れ屋な竜憧くんが、100メートル先まで聞こえそうな大声で絶叫って……!

しかも竜憧くん、完全にキャラが変わってる。これって総長モードだ。

「ス……スイマセン‼」

すっかり浮かれてぼけっとしてると、鷲尾をはじめ、厳つい男たちが慌てて私に頭を下げた。

「無礼な態度をとってすいませんでした‼」

なんか、いまにも土下座しそうな勢い。

「やァ~~めェ~~てェ~~‼(そういうのいらない‼)い、行こうよ、竜憧くん‼」

暴走族にかしずかれるなんて全身が痒くなって蕁麻疹出そうだ‼勘弁してッ‼

竜憧くんの手首をつかんで引っ張った。

「ごめんね千歳?……怒った?」

「……い、いい……いいよ!……ビックリした……!」

「アイツらにはあとでもっときつく言っとく……」

「いいってばッ‼」

ふたりになったとたん、いつもどおり気の弱い竜憧くんに一瞬で戻ってる。