宣戦布告なのか、忠告なのか微妙な言葉を残して、乃愛は駆けていってしまった。
「受けて立つって言っといて!」
オレはその背中に向かって返事した。
「…………や、やだなぁ、変なこと言って」
慌てる千歳。
「でもほんと千歳ってモテるから不安。ゆうべもあんな時間に小海とふたりでいるしィ…………(何気に気になってたんだよ)」
「そ、それは……」
「だめだよあんな時間に……小海と……ふたりで……」
オレがブツブツ小言を言うと、千歳にキッと睨まれた。
「もしかして昨日ヤキモチ妬いてた?あの鉄仮面の下で……?」
「…………そりゃあ、少しは……("鉄仮面"てなに?)」
素直に認めたのに、千歳はくすっと笑ってオレの頭を撫でた。
「小海は友だちだよ。心配して付き合ってくれたの。ま、親友ってとこかな」
「…………いいな、それ。千歳に親友って言われる小海が羨ましい」
千歳は照れてオレをキッと睨んだ。
「…………り、竜憧くんは彼氏で不満?」

