「待ってッ……‼」
一度は諦めかけたけど。
気づいたら走っていた。
頭ではこれでいいんだ……なんて、納得しようとしたのに、身体が勝手に熱くなって走り出していた。
こんな終わりでいいわけない。
こんな程度の気持ちじゃない。
千歳を失いたくない。千歳から離れたくない。
そんな見えない力に突き動かされて。
「千歳待って‼話聞いて‼」
「ッ……」
「オレバカだから傷つけてたなんて気づかなかった‼ごめん‼でも、…………言い訳はしない!オレは魔陀羅をやめるわけにはいかない‼」
これまでないくらい全力で走った。
そして追いつくと、千歳の肩をつよく掴んだ。
「でも千歳が好きだ‼世界で一番好きだ‼…………オレ……こんなだけど…………そばにいてよ…………お願い」

