でもその分、うなじに氷を当てられたようなゾッとする冷たさがある。 「……スイマセンッ‼」 いまにも私たちを襲いそうだったヒグマ男が、ハッと怯んで後ろに下がった。 他のメンバーたちも次々にその声の主に頭を下げて、道を譲る。 「…………っ!?」 ライトが眩しくて顔は見えないけど、靴音をコンクリに響かせながら、ひとりの男が私たちに近寄ってくる。 「ここはガキの来るところじゃねー。消えろ」 一切の感情を削ぎ落とした冷たい声。 決して威嚇されてるわけじゃないのに、迫力で腰が震えてしまった。