「なんで謝るの?こっちはさっき轢かれそうになったことを水に流して、しかも敬語で話しかけてるのに?いきなり消えろって何?教育するべきはそっちでしょ?」
「…………」
言いたいことをそのまま口にすると、私を除く三人の空気が凍りついた。
びゅうッと夏の夜風が足元を流れる。
「千歳……このバカ……ッ」
小海の顔は青く、逆に二人組はみるみる険しい表情になって、
「いい度胸だな」
制服の胸ぐらを思いきり掴まれた。
「女だから手ェ出させねーと思ってンのか?」
「……ッ」
こんな乱暴をされたのははじめてだ。しかも相手は鬼のような形相の男。
でも不思議と怖くない。
「私間違ったこと言った?言ってないよね?殴りたければ殴れば?でも私をボコボコにしたって、そっちが勝ったことにはならないから」

