「……あれ、さっきの単車か?」
小海の眉間は険しい。
私は慌ててサッと小海から離れた。
「ありがとっ」
聞こえるか否かの微妙な声でお礼を呟く。小見は何となく不満そうな目付きだ。
でも、たった今私を轢き殺す気か!?って勢いで爆走していたバイクがスピードを落とし、向かいの舗道に停車した。
「……!」
通行人たちは一瞬どよめいて、みな足を早める。絡まれたらかなわない……ってところか。
「止まった!もしかして謝るのかな!?」
一瞬私に謝ってくれるのかと思ったけど、バイクを降りた二人は私なんかガン無視。
こっちを見ようともしない。
どうやらお目当てはタバコの自販機らしい。
「そんな品行方正なわけないじゃん?魔陀羅だぞ」
呆れた顔で、小見は彼らのバイクに貼られたステッカーをちょんちょんと指差した。

