「小海、暴走族だって!魔陀羅かな!?」
窓際の小海を押しのけて前を覗く。
私に押された小海は、迷惑そうに大きなため息。
「あーあ、ちょっと前ならこんな時、"え?暴走族?くっそ迷惑なんだけど?もう最低!あんなやつら死ねばいいのよ!"…………ぐらい毒吐いてたのにな」
「…………は!?ちょ、私だって"死ねばいい"とまでは言わないよ!」
ひとをまるで暴走族のにわかファンみたいな言い方するから、頬がカッとなった。
「お前変わったな……っていいたいだけ」
小海の目はどこか投げやり。
なんて答えたらいいのか思案していると、夕暮れの空気を裂くようなエンジンが轟いた。
バイクのエンジン音。
バスの乗客たちは思わず耳を塞ぐ。
「怖いわね……」
「いきなり飛び出て来たよ」
「警察呼べよ……」

