「またその話」
「ちゃんと本当のこと言って」
「お前はどう思ってんの?」
「…………あんたを信じてる」
そう答えると、小海はたっぷり十秒くらい、至近距離で隣の私を見つめた。
事情を知らない他の乗客が見たら、バスのなかでいちゃくつラブラブなバカップルだろう。
「噂広めたのオレじゃねーよ…………って言ったら信用してくれんの?」
「……」
「どうせオレがみんなに言いふらしたって思ってんだろ」
投げやりに目を反らす小海。
「だって、あんな言い方されたら」
「オレじゃないって言えばホントに信じる?」
「……ッ」
少し口は悪いけど、性格の悪いやつじゃないってことは昔から知っている。
「昼間はちょっと疑った…………。ごめん。でもよく考えたら、小海はそんなやつじゃないよね」
「オレ信じんの?」

