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窓の枠に肘をついた小海は、ボーッと流れる街並みを見つめている。家々に明かりががぽつぽつ灯り始める時間だ。
と、バスの窓に映った小海と目が合った。
外はもう暗いせいか、窓は鏡のようになっている。
「ほんとについてくる気?」
気まずさに耐えきれず、何度も訊いた質問をまた繰り返すと、小海は隣に座る私を向いて、
「それ何回目?それにもうバス乗っちゃったろ」
と、これまた同じ答えを繰り返した。
いつかも小海とふたりでこのバスに、こうして並んで座った。
魔陀羅の集会を見に行くために。
あの日と同じバス。あれからそんなに時は流れていないし、この街並みも変わっていない。でもまったく別の街に迷いこんだみたいに思える。
もしかして私が変わったから…………?

