いつかの夜、路上で会ったとき、とても心配そうな顔で言われたっけ……
『こんなとこで何してるの!?早く帰りなよ!』
今考えれば、私と小海を心配してくれてたんだ。なのに私ったら、『そっちこそ帰りなよ、不良にかまれたらどうすんの?』なんて、随分とんちんかんなこと言ったっけ。
"魔陀羅の総長"にからむ不良なんか日本にいないよ。
あのときはまだ、竜憧くんが総長だなんて夢にも思わなかった。
本当は今も夢であってほしいと思ってる。
でも、現実からは逃げられない。それを知ってしまったら放っておけない。
好きじゃなかったときには戻れない。
こうしてじっと祈っていたって、何も変わらない。変えるためには自分が動くしかない。
私は、竜憧くんを助けたい。
優しくて平和主義な竜憧くんが総長なんかやっているのは、きっとそれ相当の理由があるからだ。

