「ちょっと何言ってんのかぜんぜん分かんないわ。いきなりひとのクラスに来ておかしな因縁つけないでくれる?」
「ッ‼」
彼女の口調にはありありと露骨な嫌悪感が込められていた。
まるで私が悪いみたいだ。
私が加害者みたい。
冗談じゃないんだけど!
「竜憧くんが"魔陀羅の総長"って噂広めたのあんたでしょ!?」
乃愛の態度にブチッと切れてはっきりそれを言うと、彼女は一瞬フリーズした。
「………………はぁ!?」
「惚けてもムダだよ!学校でそんなこと言うのあんた以外誰もいないんだから!」
彼の正体を知ってるのは他にいない筈だ。なのに乃愛は態度を変えない。
「知らない」
「そんなわけないでょ!?あんた以外誰が……!」
「知らないってば。私じゃない」

