アイツだ!確か1―Bって言ったもん!
乃愛がバラしたんだ!
"こないだのこと"だって、何となくうやむやに終わって、考えないようにしてるけどけっこうムカムカしてるのに!
思い出すと今も苛々する。
竜憧くんを罠に嵌めるために茜先輩と私を利用して………………
夜道で気絶させられて、しかも狭い床下収納に閉じ込められたことが頭を駆けめぐった。
しかも逆ギレして謝まりもしない!
小悪魔っていうかただの悪魔だ!
あのおんなァァ!
「またア~イ~ツ~かぁぁぁ………ッ」
「………………千歳?」
「ゴメンさっち‼私ちょっと急用‼」
そう言うが早いか、返事を待たず私は教室を飛び出した。
向かう先はもちろん乃愛がいる1―B。
懲りるどころか、しつこく竜憧くんに嫌がらせするなんてもう絶対に許せない!

