「またダメって言われるかもしれないけど…………」
「……………………?」
「抱きしめていい!?ていうか抱きしめる!」
遠い昔のことを想っていると、急に竜憧くんの腕が伸びてきた。
「ちょ……待って!ここ学校だし!」
「抱きしめたい」
「…………は!?……こ、心の準備が……っ」
立ち上がると、竜憧くんもつられるように立ち上がった。
「それどれくらいでできんの!?」
「……あ、あと一ヶ月くらいは…」
「待てない」
気づいたら彼の腕のなかにいた。
竜憧くんの香りと体温が、制服を通しても伝わってくる。強引なのに、ほとんど力を感じない。
振り払ったら逃げられそうなくらい緩い抱擁。
でも、離れられない。まるで磁石のように身体が動かない。
幸せ、だ。
好きな人に抱きしめられるってこんなに暖かい気持ちになるんだ。

