「……ぎゃ!?」
だが、もつれるように教室を出たあと、すぐ誰かと衝突してしまった。
私は軽くバウンドして、そのはずみでよろけたけど、ぶつかった相手はびくともしてない。
「……!」
打った鼻を手でおさえながらその相手を見る。見上げるほど長身の男子だ。
「……あ、茜先輩……っ!?」
驚いて心臓がびくっと鳴った。
教室の前に茜先輩がいたってことは、私に用なのかな?でも今それどれころじゃないし、ぶっちゃけ、もう先輩とは話したくない。
「千歳とぶつかるのこれで2回目やな」
「…………」
先輩は屈託なく微笑んだけど、私の心はささくれ立った。
「……すみません。急いでるんで失礼します」

