「っ‼」

ドキンと、壊れそうなほど心臓が跳ねた。顔を上げると、立っていたのはさっちだ。

「…………あ、おはよ……」

やや拍子抜けした声で返事すると、さっちが目を見開いた。

「顔どーしたの?」

「……え?」

「いやすっごい真っ赤なんだけど?熱でもある?」

「……え!?ほんと?」

慌てて自分の頬に触れる。確かに熱い。

会ったとたん、"どーしたの?"なんて訊かれるほど赤いわけ!?(それじゃバレバレじゃん!?)

焦ったからか汗がどっと出てきた。さっちはさらにジーっと私を観察。

「なんか変じゃない?……週末なんかあった?」

さっちって意外と鋭いかも。

「ま、まぁ、すごいことがあったと言えばあった……かな?」

「えー、なになに?」

「内緒」

隣のクラスの乃愛ちゃんに監禁された……なんて言えない。