ずっと誤魔化してたけど、私竜憧くんが好きなのかもしれない。

自分で思ってるよりも。

その気持ちにきづいてしまった。

真っ赤になった竜憧くんに、"抱きしめていい?"なんて言われたときは腰が砕けるかと思った。

その少し前、乃愛ちゃんに凄んだときの凛々しい顔とは、卑怯なくらいに別人過ぎる。

あんなキュン顔であんなこと言うのはズルいよ。

竜憧くんて、いったいいくつ顔があるんだろう。

もっと竜憧くんのこと知りたい…………。

昨日からずっと心臓の音が聞こえてやまない…………。


教室の机につくと、となりの席を見た。

彼はまだ来ていない。でも、もうすぐ会えると思うと、心臓はますます暴れて壊れそうだ。

今からこれじゃ、会った瞬間倒れちゃうかも…………。

イスに座ってるんだから倒れようもないのに、そんなバカみたいな心配をしていると、目の前にフッと人影ができた。

「おはよう、千歳」