断っておくが、総長といっても、別に望んでこの立場になったわけじゃないんだ。

前の高校だって、純粋に勉強がしたくて入学した。オレはそのつもりだった。だったけど…………。

いざ入学してみると、周りはケンカや遊びに明け暮れ、青春のすべてを悪事に投げってうってる"札付きのワル"ばかり。

どれだけ悪いことをやれるか、日々競って自慢しているような連中だらけだった。

でもまぁ、ひとの人生だ、文句はない。

だがある日、そいつらの一人が気の弱そうなクラスメイトをいじめてパシリにしているのを見てしまった。

そうなると黙っていられない。頭に血がのぼって、いじめてたヤツらに注意した。

だがいきなり殴りかかられ、オレも殴り返したら、あとはあっという間に乱闘騒ぎ。気づいたら全員がボコボコになって足元に倒れていた。

そして3日で退学。

さらにケンカの強さが噂になって、色んな不良がオレに挑んで来るようになった。

子供の頃からどんなに努力しても成績はちっとも上がらないのに、なぜかケンカだけは誰にも負けない。

次々襲ってくる名だたる不良どもを蹴散らして行くうち、裏の世界でオレの名は、勝手に売れて売れて売れまくって有名になり、ついには先代の魔陀羅の"頭"にまで届いた。