「別に殺す気なんかないし、総長罠に嵌めて魔陀羅潰したって連絡来たら、適当に理由つけて帰してあげるつもりだったし。なのに、なんでアンタがここに……」
ここでパンッと風船が割れたような音がした。
茜が乃愛の頬を打ったのだ。
「………にすんのォ!?」
打たれた頬を手でおさえながら、乃愛は憎々しげに茜を睨む。
「こっちのセリフや。なんで千歳に…」
「は、カッコつけないでよ、女ひとり落とせない役立たずのくせに!このデクのぼー!」
「なんや妹のくせに!兄ちゃんあれほどもう族共とは縁切れって言うたやろォ‼」
「廣高に何が分かんの!?こんなときだけ兄貴ぶんないでくれる!?私には"使命"があるの!」
「こないな真似しくさってなに寝言言うとんねん!?」
「うるさい!私のお兄ちゃんは世界中で"慧斗"だけだから!この世でもあの世でも!」

