「あっそう、完璧裏切ったわけ…………?」
「知るか!それより千歳に何した!?オレは聞いてへんぞ!?」
「うざッ‼もう最悪‼大声出さないでッ‼」
「大声出してんのお前やッ‼」
ここで話していても埒があかない。
ドアに立ちふさがっている乃愛を押し退けて、部屋のなかに入ろうとした。
「ちょっと何勝手に──!?」
乃愛はそれを止めようとオレの腕を掴んだが、構わなかった。
「……千歳ッ!?」
部屋は殺風景なワンルーム。玄関のたたきに立つと室内すべて見渡せた。家具らしきものはソファとテレビしかない。
ドアの横に申し訳程度のキッチンが備え付けられてあるが、使われてる形跡も生活感もない。
だがすぐ、壁に凭れる女の存在に気づくと目がくぎ付けになって、靴のまま部屋に押し入った。
千歳!?
女はロープで縛られたうえ、口をテープで塞がれている。

