「その前に答えろ、…………自分何者や?」
茜の目が変わった。真剣だ。
コイツホントにオレの正体知らないのか!?
「周りには隠してるが、"魔陀羅"って族のリーダーやってる」
「…………………………"マダラ"!?………………あの有名なマダラ!?」
「学校でオレの正体知ってるのは千歳だけだ」
「………………ッ」
茜の瞳孔が開いた。オレが族のリーダーと聞いて本気で驚いているようにしか見えない。ということは、本当に事情を知らなかったのか?
でも無関係なはずあるか!
「オレは腹を割ったんだ、お前も知ってることを教えろ!」
「ッ」
「千歳の居場所、何か心当たりあんだろッ!?」
「…………分かった、話す。話すわ!ホンマヤバいみたいやし、…………だからまずこの手ェ離せッ」
掴んでいた茜の襟首をようやく離してやった。
自由になると、茜はフッーッと深く息を吐いてオレを睨んだ。

