「"埠頭"?"メール"?…………何を言うとんねん、シンナーでも吸いすぎてラリってンのか?そんなんやから千歳に逃げられんねん。自分が嫌われとる自覚持ちや?ホンマこれストーカーやで!」
「……ッ」
「しつこいヤツやなとは思っとったけど、ここまで頭イッとるとは思わんかった。それに今日千歳呼び出しといて来んかったやろ?自分やっとることがめちゃ……」
「ちょっと待てッ」
柱に凭れてベラベラと捲し立てる茜。その減らず口を遮った。
「なんで約束のことをお前が知ってンだ!?」
「ッ」
「やっぱ今日千歳に会ったんだろッ!?」
もう一度詰め寄ると、茜は肩をすくめて息を吐いた。
「…………ああ、会うたわ、駅で"たまたま"な」
「テメェやっぱり……」
「話聞けや!ちゃんと夕方家まで送ったし!当たり前やろ、誰が拉致なんてすんねん?アホか。千歳なら今ごろ自分ん家や!」

