「ただでさえ千歳がヤツらに拉致られたってときに‼」
勢い余って叫ぶと、椿子の目にぎゅっと力がこもった。
「やっぱりそうなのね」
タカシも椿子の隣に立ち、肩を抱いた。
「オレらその件で来たんだ」
「何……ッ!?なんか知ってンのか!?」
オレは今さっき送られてきたメールをふたりに見せた。
「ヤツらが指定した時間ちょうどにこれが送られて来た。オレを動揺させようってセコい作戦なんだろ……ッ」
ロープで縛られた千歳の画像を見て、椿子は表情を強張らせる。
「……この服装……私が駅で見た、"千歳さんにそっくりな人"と同じ。やっぱりあれは千歳さんだったんだ…………あのとき私が追いかけて……捕まえていれば……」
責任を感じたのか、椿子は言葉を噛みしめた。
「別にお前のせいじゃねーよ。悪いのはオレだ。そもそも…」

