目が合うなり、霧島とかいう男がさっそく挑発してきたが耳に入らない。

「千歳をどうした?」

「ハァ!?何やて!?」

「千歳だ!お前らが拐ったんだろ!?」

霧島は肯定も否定もせず、意味深に口角を上げでほくそ笑んだ。

「千歳を解放しろ、アイツは無関係だ‼」

「何の話かサッパリ分からんわ!他に気ィ取られることがあンならさっさと探しにでも行けや!今ごろヤられてるかもしれんでェ!?」

あくまで惚けるつもりらしい、その小馬鹿にした態度を見て頭に血が昇った。

「テメェブッ殺すッ‼」

それが合図のように両チームの乱闘が始まった。

「テメェが死ねェ‼」

「ラギさんに舐めた口利くなッ‼」

あちこちで上がる怒号と土煙。誰が敵で誰が味方か分からないほど揉みくちゃな状態だ。