「…………!」

メールを開いて絶句した。

ロープで縛られた千歳が、ぐったりして白い壁に持たれている画像が目に飛び込んで来たからだ。

千歳の目は閉じている。意識がないのかもしれない。

「………………!?」

一瞬意味を理解できず、ショックで心臓が止まったかと思った。

メッセージは一言、



『返して欲しければ今すぐXX埠頭にひとりで来い』





「………………ざけんなッ……!」

10秒ほど時が止まった。つい漏れた叫び声に、仲間の一人が怪訝な顔になる。

「ラギさん?どうかしましたか?」

「ッ」

答える余裕もない。

やっぱり千歳はヤツらの手に落ちてたのか……!?

しかもXX埠頭だと!?
ざけンな‼ここから60㎞は離れてる場所だ‼
そこへ今すぐ来いだッ!?