*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*











その夜…………時刻は10時50分。
どっぷりと日が落ちた、とある河川敷。

ここは市の境目に位置する寂しい所で、夜ともなれば、通行人はおろか通りすぎる車もまばらになる。

近くの高架橋を照らすオレンジの灯り以外に街灯もなく、ふだんなら静かだ場所だ。

だが今夜は違った。

数百を越える改造バイクが河川敷を埋めている。
唸るようなエンジン音と、ヘッドライトの灯りが闇夜を切り裂いていた。

その光と爆音の中心にオレはいた。

「ヤツラが呼び出した場所ってここで間違いないのか?」

オレの問いに仲間のひとりが頷いた。

「ハイ。今夜11時。ここXX大橋のたもとで間違いありません」

関西のヤツら…………よくこんなマイナーな場所調べたもんだ。