『関西からきた男ね……』
茜の話をすると、タカシから興味があるともないとも言えない返事が返ってきた。
さすがにこじつけと思えなくもない。
単に茜が気に入らないから、余計ヤツらの仲間かと疑ってしまうのかもしれない。
それに、もし族をやってるなら、どんなに隠しても身体から染みでるニオイを、絶対に嗅ぎつける自信がある。
だが茜は、オレから見て、どう考えても族をやってる人間には見えない…………!
オレは人を見る目だけは自信がある。
「不良臭さのカケラもない男なんだ。どこをどう見ても"ただのリア充"っつーか。………………でもなんか胡散臭ェんだよな」
だからこそ千歳も気を許したんだろう。あれが芝居なら大したヤローだ。
……………………"芝居"?
学校いるときのアイツは芝居なのか?オレが仲間の前で"総長キャラ"をやってるのと逆で、アイツはもしかして────

