「どうした?」
そして頭は一瞬でラギに切り替わり、一切の感情を剥ぎ取った声で電話を取る。
長いことそうしてきたから、ほぼ無意識だ。
『───ラギさん。ウチにアヤつけてきた連中がいます』
相手のその一言で、予感が的中したことを確信した。
"アヤをつける"とは、オレたちの隠語で、簡単にいうと"ケンカを売られた"という意味だ。
「へぇ?その身の程知らずのバカは"関西の"田舎者どもか?」
オレの問いに対し、電話の向こうでNo.4が息を飲んだ。
最近身の周りでキナ臭いことと言ったら、シコクだがだか何だかいう連合しかない。

