そんなことを考えていると、さっきストレッチャーで運ばれたばぁちゃんの顔がふと浮かんだ。
名も知らないオレの手を、ずっと握りしめていた。あんな風に誰かに頼られたことは一度もなかった。
もしかして、夢うつつで本当の孫だと思ったのかな?……なんて、それはねーか……。
「………」
…………帰るか。
ここから歩いて帰れない距離じゃない。
明日は日曜だ、ばぁちゃんの見舞いに来よう。
……でも、明日、冷静になってオレの姿をあらためて見たら引くかな?
ま、そのときはお見舞いだけ渡して帰ればいっか。嫌われるのはいつものことだ。
無人の駐車場に、びゅうっと風が吹いた。
だが、歩き出そうと一歩踏み出したときだ、また電話が鳴った。

