だいたいざっと今の状況を説明すると…………。
『……え!?いま病院なの……!?』
椿子はオレと違って頭がいいからか、すぐ状況を飲み込んでくれた。
『…………分かった…………そういうことなら今からXX駅に向かうね。…………けどォ…………』
言いにくそうに椿子の語尾が消えた。
「けど?」
『私、いま横浜に来てるの。だから時間かかる』
「横浜?なんで!?」
『………水族館に来ていて…』
椿子の声が小さくなった。
水族館?
………………"タカシ"か!?
すぐにデートだってピンと来た。
「……悪ィな、楽しんでるところ邪魔して」
そう思ったのは嘘じゃないが、(兄として)ひがみがこもった言い方になってしまった。
『ううん、いいの。それよりシュウが助けたお婆さん、大事に至らないといいね』
「ああ」
『それにしても、シュウは昔から人に誤解されるよね。優しいのに』
「……」
『駅で千歳さんに会ったら、ちゃんとシュウの誠心誠意を私が伝えるから。任せて』

