*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*




「そうか、キミも早く乗って!」

「え!?」

隊員に促されたが逡巡した。

千歳との約束を忘れたわけじゃないからだ。救急車に乗ったら約束の3時にはきっと間に合わなくなる。

だが、こんな中途半端なまま放っておけない。

「ばぁちゃんの容態そんなヤバイんですか!?」

「胸を苦しがってるようだから心不全を起こしてる可能性がある。だとすると一刻を争う状態だ」

「……!?それ死ぬかもって意味!?」

心不全やら心筋症が、具体的にどういう病気かは知らないが、すごく危険なんだってことくらいは分かる。

苦しさで歪むばぁちゃんの顔を見ていたら、身体が自然と動いた。

「オレも一緒に行きます!ばぁちゃん助けてください!」