*side竜憧 柊*





少し時間を遡った、午後2時。

オレは家を出ると、玄関の鍵を閉めた。
もちろん千歳との約束の駅に向かうためだ。

昨日までの様子だと来てくれるか分からないが、とにかくずっと待とうと思う。

だが最寄りの駅に着く前に、思いがけないことに遭遇した。

「ン?」

小柄で白髪のおばあさんがひとり、バス停のベンチに腰を降ろしている。

それだけなら別に気にもとめないが、何となく変な気持ちになった。

…………アレ?この光景……なんか一度見たような……?

"デジャヴー"っていうやつか?
その理由を考えたら、すぐに思い出した。

そうだ、今朝。
今朝も見た…………。