「竜憧くん!ちょっとこっち来て!」
もう見ていられない。隣に立っていた彼の手首を掴んで、廊下に連れ出した。
「東田さんどーしたァ?まさかコクハクぅ!?」
「カップル誕生かー!?」
猿達は私の背後から、小学生みたいな冷やかしを浴びせてきたけど無視。
幸い、からかっただけで田母神たちは追ってこなかった。
私は色々興奮しすぎたのか、廊下の壁に竜憧くんを押しつけ、勢いあまって壁ドンをしてしまった。
「……ひ、東田さん?」
「…………ぁのさァ!"高校デビュー"なのは分かったけど!」
「……?」
「ヤンキーで通すならせめてキャラ設定しっかりした方がいいよ!?」
「……キ、キャラ設定……?」
私がこんなに熱くなってるのに、竜憧くんはポカンとしてる。
しかも、正面から見たら、やっぱりなかなか相当の爽やかイケメンじゃないか!

