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ある日の放課後。
昇降口まで来たところで、ばったり竜憧くんに会った。
「……千歳」
「……ッ」
さっきショートホームルームが終わって、私が教室を出たときは、まだ隣に座ったままだったのに。
ここで鉢合わせするってことは近道したの!?
でも、知らない。
私は通りすぎようとした。
「千歳、話聞いて」
「……」
無言で横をすり抜けた。
それでも竜憧くんは追いかけてくる。
ロッカーを開ける私の横に、必死な顔の彼がいる。
この3日、何度となく彼は話しかけてくるけど、私はずっと避けていた。
私よりも暴走族でいることを選んだ竜憧くんに対して、もう素直になれない。
「話したくないんだってば。どいてよ」
「待って、1分だけ!1分でいいから時間ちょうだい」

