「ノリ突っ込みさすなアホ!」
勢いよくそう言って、先輩は私の頭をまたぽんっと撫でた。アホって言葉のわりに、とても優しい手つきで。
「そうやなくて一目惚れっていうやん?それやきっと。それとも前世で一度会うてるのかも」
「よ、よくそんなこと言えま……言えるよね!?」
「ちゅうかホンマに敬語使わんようにしやがって!そんなにオレとつき合いたくないん!?へこむわーァ!」
「………………っ!?」
このひとはなんなんだろう、黙っていたら繊細で儚げな美少年なのに、話すとチャラいという。
でも魅力が損なわれてるってこともなく、むしろギャップ萌えってやつ?
ちょっと気持ちが落ち着いてきたから、茜先輩というひとを分析していると、先輩はクスッと微笑んで、
「千歳。少しは元気でた?」
「……え?」
「さっき、しんどそうな顔してたで」
「……」
「昨日ぶつかったときもそうだったやん?」

