先輩は階段の一番上に腰を落とした。ほかに人は誰もいない。まるで校舎にふたりだけ?って思いたくなくほど静かだ。
「千歳、ここ座り」
教室に戻どらなきゃって気持ちもあるけど、不思議とこのひとには逆らえない。
黙って隣に座った。ただし、人ひとり分くらいの隙間を空けて。
「千歳ってまじめやろ?授業サボったこととかないやろ?」
「まじめっていうか、それふつうじゃないですか」
「ふつう。ふつうってなんやろな」
「…………え?」
「ちゅうかまた敬語や」
「……っ」
「敬語禁止て言ったのに!…………そうや!今度敬語使ったらオレの彼女になってもらうかな」
「……!?何言ってんですか!?ふざけるのやめてください‼」
っと思わず叫んだあと、慌てて口を塞いだ。敬語使っちゃったよ!
「い、今のはセーフ!?」
「……ほなセーフにしてやるけど失礼やな、そぉんなにオレの彼女になるの嫌なん?あー傷つくわー」

