「ッ」
先輩の言葉に、竜憧くんは唇を強く噛みしめた。
なんとなく火花が散ったように見えた………………のは錯覚だよね?
私を間に挟んで、背の高い茜先輩と竜憧くんがバチバチッと対峙している。バックにはとぐろが渦巻く不穏な空気。
や、やめて……!なんかこういうイケメンサンドイッチ状態、私には耐えられないッ!
「あ、茜先輩、行きましょう!」
今度は私が先輩の背中をおした。
もちろん、先輩とふたりになりたいわけじゃない、竜憧くんと引き離した方がいいと思っただけ。
「千歳待ってッ!?」
それでも竜憧くんは止めたけど、私はきかなかった。
「ぜええェェっったいについてこないでよッ!?」

