それだけ告げて、電話を切った。
相手は魔陀羅の諜報部員だ。

この街はオレたち(魔陀羅)のシマ。
アスファルトのシミの数から、ガードレールの傷まですべてを把握している。

当然、街で起きた一日のできごとも、諜報部がすべて仕入れてくる。

昨日の3人を見つけるのなんて朝飯前。

この件で魔陀羅の力は使いたくなかったが、つきっきりで千歳を守れないなら仕方ない。

あの3人を見つけ出して話をつける。

それにあれが関西のまわし者なら一石二鳥だ。

潰して千歳を守る。

それにしても、学校なら千歳は安全だと思ったけど、今朝のあの関西弁ヤローは何だ!?

あんなやつがいたんじゃ学校も気が抜けない。

何が狙いだ?

わざとぶつかってケガさせて看病して、"優しい人"って何だよ腹立つッ‼

むしろ昨日の3人組より厄介かもしれねー。

今度千歳に近づいたら化けの皮剥いでやる…………。