放課後────
水滴のついたカップをボーッと眺めていた。
木製のテーブルの向こうには、不安そうな顔のさっち。そして私の隣には、憮然とした表情の小海がいる。
学校の帰り道、コーヒーショップに3人で寄り道したのだ。本当はそんな気分じゃないけど、ふたりに押しきられた。
「ねぇ竜憧くんとなにケンカしたのぉ?せっかく家に行っていい感じになったのに…」
「家ッ!?家行ったの!?なにそれ聞いてないんだけど!?」
「小海くん関係ないじゃーん」
「んだよそれ」
ふたりは私と竜憧くんに何が起きたか知りたいみたい。でも、言えるわけないよ、
竜憧くん、なんと"魔陀羅の総長"らしいよ!
なんて?
言えないって。

