「……ッ」
言ってしまった瞬間、ハッとした。
今のはさすがに言い過ぎかもしれない。
私はいつもそう、一言も二言も多いって自分でも思う。
でも素直にごめんが言えない。
「……教室戻るから!もう話しかけないでッ!」
彼の横をムリに通りすぎた。
これでさすがに終わったと思った。
いくら優しい竜憧くんでも、ここまで言われたらさすがに怒るだろう……って。
胸がきゅーっと縮んで目が痛い。泣きそうなサイン。
なのに、
「千歳さんが嫌なら話しかけない。でもオレ離れないよ」
「ッ」
竜憧くんはそれでもぶれない。ひたむきでまっすぐな瞳は揺るがない。
私はいま、とても酷い言葉をぶつけたのに……!それでも怒らないの…………!?
私だって本当はケンカしたいんじゃない、好きって言われて嬉しかった。嬉しかったよ。
でも素直になれない。
それどころか、口を開けば喧嘩腰で酷い言葉を浴びせ、彼を傷つけてばっかり。
なんで、なんで、なんでこんな私に優しいの?他にもっと優しくて可愛い子いるよ?
私はいまの自分すごく嫌だ、大っ嫌いだ─────

