電池が止まったのかと思うくらい、じーっと見つめられて、どうしていいのか分からない。
この人って、(いい人だけど)なんか女子慣れしてるよね。ふつうに彼女いそう。それにメチャメチャモテそうな感じ…………
…………ってんなことどうでもいいけど!
「なぁ、1年なん組?」
「Aです」
「名前なんて言うん?」
「………………東田千歳です」
「東田?……へぇ珍しぃな。でもヒガシダって呼びにくくない?"千歳"でええか?」
「え?」
そんなにストレートに訊かれたら、嫌って言えない。
いや、私の呼び方なんか決めてどうすんだろう……もう会わないと思うけど…………
「………………はい」
なんて思いつつも一応、頷く。
すると先輩は「可愛い」と笑って、私よりも100倍可愛い顔で、私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

