*オレを嫌いなキミが好き。*日本一(ピュア)の総長 × 日本一暴走族嫌い女子*








やがて時計は進んで昼休みが始まると共に───…………ちょっとした事件が起きた。

「オイ竜憧ッ!」

教室全体を揺らすほどの大声が突然響き渡る。
ほんわかしていた空気が、一瞬で引き裂かれた。

声の主は田母神(たぼじん)という名の男子。

自称、うちのクラスを仕切っているボス的な位置。

背後にいつもつるんでる仲間(つまり子分)ふたりを引き連れ、私の隣の竜憧くんの席にドカドカとやって来た。

そして横柄な態度で、竜憧くんが運んだ机に、図々しくドカッと腰をおろしたかと思うと、いきなり、

「タバコ切らしたから買ってきてくんねー?」

なんて言い放った。

もちろん学校でタバコなんか売ってない。ここから一番近いコンビニなら売ってるけど、制服で買えるわけがない。

私は呆れて絶句。しかしさらに田母神の手下たちは調子に乗る。