「そうかー。それは困るよね。」
「そうなんです。」
あっという間に冬休みは終わり、
今は来年の科目選択に関して二者面談が行われている最中だ。
私の所属する理数コースは2年生で化学が必修になっているのだが、
生物と物理に関してはどちらを取るか決めなければならない。
夏休みまでは看護学科を目指す予定で生物も得意だったため、生物一択だった。
しかし、ある日見たテレビ番組がきっかけで建築もいいと思い始めてしまった。
それも建築学科に行くには物理が必須にも関わらず、私は物理が大の苦手。
到底国公立に行けるほどではない。
「うちの高校、生物と物理の組み合わせ出来ないからね。
でも、今のところ看護よりは建築?」
「…実は、看護も捨てがたいんですよ。
でも生物選んだら建築の道が閉ざされるし、物理選んだら看護の道が閉ざされるじゃないですか。」
将来に大きくかかわる進路を16歳で決めるだなんて無理!
「でも、大学によっては物理が必須でなかったり生物が必須でないところもあるから、完全に門戸が閉ざされるわけではないけど。」
しかしそのあと、伊藤先生は苦い表情で話をつづけた。


