「送ってもらうのは申し訳ないです!」
私も慌てて立ち上がって首を横に振った。
「また絡まれたら厄介だろ、」
彼は呆れながら「送る」と言ってくれた。
申し訳ないけど、またあんな目に遭ったらと思ったら震えが止まらないので送ってもらうことにした。
「……」
「……」
会話はゼロ。
少し気まずい……
「あ、あの…」
「なに」
「お名前ってなんて言うんですか…?」
私がそう質問すると彼は面倒臭そうに溜め息をついた。
「別にあんたは知らなくてもいい。今後一切会うこともないしな」
そ、そんなばっさり言われても…
でも気になる私は、
「じゃ、じゃあせめて…年齢だけでも」
とお願いしてみた。
「はぁ…」
また彼は溜め息をついた。
「あ、ごめんなさい!やっぱいい…「16」
…え?
「じゅ、16…さい?」
「そうだっつってんじゃん」
「私も!私も16!」
同い年なんだと知ってなんだか嬉しくなって思わず彼を見た。
「あー、はいはい、よかったね」
彼は興味なさそうで、軽く受け流されたけども。

