「あんまり時間ないからできるだけ早く決めてね」



お母さんはそう言ってキッチンに戻って行った。




「はぁ…あの人の方へ着いて行ってほしいわ」




「っ、」




小さな声だったけど、確かに聞こえた。




その瞬間、グサっと胸に何かが刺さったような胸の痛さに襲われた。







ーーー私は愛されてなかったんだと、気付いた






私は必要とされてない、私さえ産まれてなかったら2人は結婚することもなかったのかな





「…っ、」



私は逃げるように家を飛び出した。